SNSの画像投稿で出てくる「alt」って結局何?

新しいネットマナー?
少し前の話ですが、altの使い方を投稿した方に対して「ネットマナーを押し付けないで」という反応を目にしました。
altの入力欄がSNSにしっかりと表示されるようになったのはここ数年のこと。それも告知無しで。
『画像の説明を追加してください』と補足が書かれていても、そもそも知識が無いとよくわからないですよね。
代替テキストについての説明ページもありますが、気軽に投稿できる場所でそこまで読む人、読んでも『画像のアクセシビリティ』と言われてイメージできる人がどれほどいるのかもわかりません。
「運営が急に出してきただけ」で自由に書ける場所として使われても仕方がない……と思っています。
altは「画像の代わりに文章で伝える場所」
altはウェブページを構成するhtml言語の中の属性というもののひとつで、SNSに限らずウェブページ全般で使われています。ネットマナーではありません。
画像が読み込めないときやスクリーンリーダーを使っているとき、つまりその画像を目で見られないときに「画像の代わりに文章で内容を伝える」為に設定します。
細かいルールはありますが今回は「画像の代わりに内容を伝えるもの」という一点のみに焦点を当てて、この書き方は思いとどまってほしい!というaltの例を紹介します。
タイムライン上での見え方と画像が見れないときに伝わる情報のイメージを載せているので、違いが伝わると嬉しいです。(画像はわざとリンク切れにしています)
※筆者が見たことのある内容をもとに架空の文章を作成しています。特定の地域・団体・ジャンルなどに対する批判ではなく、あくまで一例としてご覧ください。また、SNS自体のアルゴリズム(URLを載せたり投稿を繋げるとアカウントに悪影響があるなど)には言及しません。altの使い方のみに焦点を当てています。
長文のキャプションを書く
代替テキストの欄は1000文字以内で自由に好きな内容を書けます。そこでよく見るのが、140字に収まらないテキストをここに書いちゃうというもの。
タイムラインでは美味しいご飯の写真が表示されますが……

画像が見えないとご飯の写真はわかりません。
引用元や詳細ページのURL
購入した商品の紹介などで見かけます。引用元の明示は大切ですが、画像が見れないとURLの存在しか伝えられません。ちなみにURLはクリックできません。
購入した商品の写真が表示されていますが……

どんなものを買ったのか分からなくなってしまいました。
画像に一言・大喜利系
好きなものの写真にaltで一言を添えてしまうパターンです。画面上では写真だけを載せられますが、画像が見られないと魅力を伝えられません。もったいないです。
ふわふわとろとろの猫、かわいいですね。

お餅の写真のように伝わってしまいます。
じゃあ何をどう書けばいい?
「写真は見せれないけど友達に話したい!」という時をイメージするとよいかもしれません。

「この前食べたタルトがおいしくてさ。生地サクサクで上にイチゴがみっちり乗ってて‥」など、写真が無いかわりにできるだけ詳しく話すことはないですか?それを文章にするイメージです。
難しければ「ケーキの写真」だけでもよいと思います。大切なのは「画像が見れなくても内容が伝わるか」です。
伝えたいことは普通に書いた方がいい
画像のaltにどれだけ思いを乗せても、検索に引っかからないうえにタイムライン上でも「代替」ボタンをタップしないと気づけません。
そもそもこういった使い方は「伝えたいことがあるのに画像がそれを隠してしまっている」という非常にもったいない状況でもあります。
自由に書く前に少しだけ思い出してほしい
「たかがSNSでそんな細かいことを言われても…」「何を書こうと表現の自由」「時代によって言葉は変わるものでしょ」などなど思う人もいるかもしれません。
筆者も「ルールは絶対に守るべき!他は最悪!」というような空気を、仕事でもなく専門家でもない、しかも遊びの場で強いるものではないと考えています。alt警察になるつもりはありません。
でも、少し書き方を変えるだけで同じ趣味の人が増えたり、思ってもない素敵な出会いがあったりするかもしれません。画像を投稿する前に少しだけ思い出してくれると嬉しいです。