【資料作成の参考にも】色の見え方を知って伝わる色使いをしよう
色の見え方は人それぞれ
資料やレポート作成などデザイナーでなくても色を使う場面は沢山あると思います。同じ色でも色んな見え方があることを知っていますか?シミュレーションソフトを使った見え方の例も紹介していますので、色選びの際に参考にしてみてください。
見え方が違うって何?
生まれつき見え方に特性がある
男性で20人に1人、女性で500人に1人と言われている色覚特性。特定の色の波長を感じる器官がうまく働かなかったり、器官そのものが無かったりすることで見え方に特性が生まれます。個人差はありますが赤系の色と緑系の色が区別しにくいことが多く、他にも青色が区別しにくい、極めてまれですが色自体の認識ができないといった場合もあります。
加齢や病気で見え方が変わる
加齢による見え方の変化は老眼だけではありません。水晶体が濁ったり黄色くなっていくことで、視界が黄色っぽくなったり、青系の色が見分けられなくなります。また、白内障が進行することで色自体が認識できなくなることもあります。その他、目に異常は無くても別の疾病による影響など、後天的な見え方の変化の原因は様々です。
区別しにくい色は?
色覚に特性のある人は、赤と黒や茶、オレンジと黄緑、ピンクと水色などが見分けにくいと言われています。高齢者の場合は黄色と白、黒と青など、似たような明るさの色同士が見分けにくくなっていきます。
画像はそれぞれの色の組み合わせをシミュレーションソフトで変換した見え方のイメージです。オレンジと黄緑はほぼ同じ色に見えてしまうことが分かります。ちなみに、サムネイル画像には「とまれ」と書いてありました。あなたは読めましたか?
色が区別できないとどうなる?
色分けされたグラフや図が見分けられないなど、様々な色の見え方を考慮されていない場面では情報を適切に受け取ることができません。また、生肉と焼けた肉が見分けにくい、飲み薬の色が見分けにくい、コンロの青い火が分からないなど、命に関わる恐れもあります。それだけ色は生活に関わっているのです。
「見え方の違い」に配慮するには?
ツールで配色を確認する
シミュレーションソフトを使用して見え方を確認してみましょう。公開しているサイトを確認したいときはブラウザの拡張機能が便利です。背景に文字が溶け込んでいたり、色が見分けられなくて情報が理解できない場所を見つけられます。
色だけに頼らないデザインを行う
画面を白黒表示やでモノクロ印刷をすることで、色に頼った表現をしていないか確認できます。重要な文言は色を変えるだけでなく太くする、下線を引くなどで他の文章より目立たせることができます。グラフを掲載するときは、ベタ塗りだけでなく模様や区切り線を入れる、線であれば線の種類を変えるなど色以外でも見分けられる工夫をしましょう。
色の調整や境界線を引く
配色に問題が見つかった場合、必ずしも全く別の色に変更する必要があるわけではありません。区別しにくい色同士を使う場合は間に境界線を引いたり、どちらかの色の明るさを調整したりすることで、デザインの統一感を残しつつ見やすい配色にできます。
少しの工夫で誰でも見やすい配色に
あなたが作った資料を見るお客様はあなたと違う色の見え方をしているかもしれません。また、こういった改善を行うことでどんな環境でも情報を伝えやすくなります。少しの工夫で見やすくできるので、できることから始めてみてくださいね。